「そうだな、マック君、君の説明は非常に素晴らしく、非常に明快だ。それが君の結論だな。僕の結論はこうだ。犯罪は言われているより30分前に行われた。ダグラス夫人とバーカーは、二人とも共謀して何かを隠している。彼らは殺人犯の逃亡を手助けしたか、少なくとも犯人が逃亡する前に部屋についた。そして彼らは窓から犯人が逃げたように証拠を捏造し、実際はまず間違いなく、彼ら自身が橋を降ろして犯人を逃がした。これが僕の推理の前半部分だ」
二人の警部は頭を振った。
「いいですか、ホームズさん、もしそれが本当なら、一つの謎から転がり出て、別の謎に入るだけです」マクドナルドが言った。
「場合によってはもっと悪くなる」ホワイト・メイソンが付け加えた。「この女性は生涯一度もアメリカに行ったことがない。アメリカの殺人犯をかくまうような関係を持つことが、できるでしょうか?」
「難点があるのは率直に認めるよ」ホームズは言った。「僕は、自分でちょっとした捜査をするつもりだ。お互いの役に立つ証拠を発見できるかもしれない」
「お手伝いしましょうか?ホームズさん」
「いや、いいよ!暗闇とワトソン博士の傘、 ―― 僕に必要なものはこれだけだ。そしてエイムズが、 ―― 忠実なエイムズが ―― 、きっと便宜をはかってくれるだろう。いくら考えても、僕は常に一つの基本的な疑問に返ってくる。その疑問とは、なぜ運動好きの男が、ダンベル一個というような不自然な器具で体を鍛えなければならないかだ」
ホームズは一人で出て行き、帰って来たのは夜遅くだった。私たちはツインベッドの一部屋に泊まっていた。小さな田舎の宿舎ではこれが精一杯だった。彼が入って来た時、私はもう寝ていたが、ぼんやりと目を覚ました。
「やあ、ホームズ」私はつぶやいた。「何か見つかったか?」
彼はロウソクを片手に私の側に黙って立っていた。それから、背の高い細い体を私のほうに傾けた。「なあ、ワトソン」彼は小声で言った。「君は、狂った男、頭がボケた男、自分を制御できなくなった馬鹿者と一緒の部屋に寝るのは恐いか?」
「そんなことは全然ない」私は驚いて答えた。
「ああ、それはよかった」彼は言った。そしてその夜、彼はそれ以上一言も話さなかった。