コンプリート・シャーロック・ホームズ
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我々はウィリアム・カーワンが住んでいた小さな小屋を通り過ぎ、楢の並木の道を歩いて、マルプラケの日付が扉の上の横木に記された古いクイーンアン様式の見事な家に着いた。ホームズとフォレスター警部は回り道をして横の門まで案内した。門の向こうは広い庭になっており、その先は道路沿いに植えられた生垣になっていた。巡査が台所の扉の近くに立っていた。

「その扉を開けてください」ホームズは言った。「よし、我々が今立っているこの場所で二人の男性が格闘しているのをアレク氏が目撃したのは、あの階段だ。さて、二人の男性が格闘していたのは我々が今立っているこの場所で、アレク氏がそれを目撃したのはあの階段だ。カニングハム氏はあの窓にいた、 ―― 左から二番目です ―― 、彼はその茂みの左からちょうど犯人が逃げるところを目撃した。アレク氏もそれを目撃した。二人とも茂みの場所については間違いないと供述している。それからアレク氏は駆け出して、傷ついた男性の側に膝をついた。ご覧の通り、地面は非常に固く、手掛かりとなる足跡はない」ホームズが話していると、家の端を回り込んでいる庭の道から二人の男がやって来た。一人は老人で、いかつく皺の深い、目つきの鋭い顔立ちだった。もう一人は颯爽とした若い男性で、明るく微笑んだ顔つきと派手な服装は、我々がここに来た事件とは妙に不釣合いだった。

「まだ捜査が終わらないのですか?」彼はホームズに言った。「あなた方ロンドンっ子はもっとてきばきしていると思っていました。結局、そんなに頭の回転は速くないみたいですね」

「あ、もう少し時間を頂かないと」ホームズはおどけて言った。

「時間が欲しいでしょうね」息子のアレク・カニングハムが言った。「どういうわけか、手掛かりが全く無いようですから」

「一つだけあるんですよ」フォレスター警部は言った。「もし、我々が見つけることさえできれば・・・・、大変だ、ホームズさん、どうなさったのですか?」

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ホームズの顔が突然物凄い形相になった。目は上に裏返り、表情は苦痛にゆがみ、低くうめくと、ホームズはうつ伏せに地面に倒れた。発作が突然で深刻だったことに驚いて、我々は彼を台所に運び入れた。そこでホームズは大きな椅子にもたれかかって、しばらく苦しそうに息をしていた。最後に、情けないところをお見せしたと恥ずかしそうに言い訳してもう一度立ち上がった。

「ワトソンに聞いてもらうと分かりますが、私はひどい病気からごく最近回復したところで」ホームズは説明した。「この手の神経発作に見舞われがちなのです」

「馬車で家までお送りしましょうか?」カニングハム氏が尋ねた。

「いえ、せっかくここまで来ていますので、一つ調べておきたいことがあります。簡単に確認できることです」

「それはなんですか?」

「ウィリアムが到着したのは、泥棒が家に押し入る前ではなく押し入った後だという可能性もあるように思えるのです。あなた方は扉が破られているのに、泥棒が侵入していないのを当然だと思っているようですね」

「あまりにも明白ではないでしょうか」カニングハム氏は重々しく言った。「息子のアレクはまだ寝室に行っていませんでしたから、人がうろついていれば間違いなく物音を聞いたはずです」

「息子さんはどこにいたんですか?」

「僕は着替え部屋で煙草を吸っていました」

「どの窓でしょうか?」

「左の一番端です。父の隣の」

「もちろん、どちらの部屋のランプにも灯が入っていましたね?」

「間違いありません」

「ここが非常に奇妙な点です」ホームズは笑顔で言った。「強盗が、 ―― それも何度か経験を積んでいるはずの強盗が ―― 、灯りを見れば家族が二人、まだ起きていると分かっている時間にわざわざ家に押し入るというのはあまりにも妙ではないでしょうか?」

「よっぽど大胆不敵な男だったのでしょう」

「まあ、奇妙な事件でなければ、あなたに解明をお願いする必要は無かったですからね」息子のアレク氏が言った。「しかし、泥棒がウィリアムと取っ組み合いになる前に家の中を荒らしたと言うあなたの思いつきは、馬鹿げた考えだと思いますよ。私たちが荒らされた場所や盗られて無くなったものに気付かないとでも言うんですか?」