コンプリート・シャーロック・ホームズ
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「恐ろしい証拠をちょっとお見せしましょう」ホームズは言った。「そしてアンバレー自身も決して気づかなかったと確信しています。警部、いつでも自分自身を他人の立場に置き、そして自分ならどうするだろうかと考える事で、結果を得る事が出来るのです。それにはちょっとした想像力が必要ですが、その価値はあります。今、我々は仮定しましょう。あなたがこの小さな部屋に閉じ込められ、二分と生きていられない、しかし友人に復讐したいと望んだ、彼は恐らく扉の向こう側であざ笑っている。あなたならどうしますか?」

「書き残します」

「その通り。他の人にどのように死んだかを告げたいはずだ。紙に書いても意味はない。見つかってしまうだろう。もし壁に書けば誰かが気づくかもしれない。さあ、ここを見てください。幅木のちょうど上に紫の不滅鉛筆で走り書きがある。『我々は・・・』これで全てです」

「あなたはそれをどうお考えですか?」

「これは、床からわずか1フィートのところだ。可哀そうな男はこれを書いた時、床に倒れて瀕死の状態だった。彼は描き終える前に意識を失った」

「彼は書こうとしていた、『我々は殺された』と」

「私もそう読みました。もし死体と一緒に不滅鉛筆が見つかれば・・・」

「注意して捜索しましょう。あなたの言うとおりかもしれません。しかし有価証券は?明らかに強盗は全く行われていませんでした。それでも彼はそういう債権を持っていた。警察で確認しました」

「彼がそれを安全な場所に隠した事が分かるかもしれません。この駆け落ちの話全体のほとぼりが冷めた時、彼は突然それを見つけて罪を犯した二人が同情的になって盗んだものを送り返したとか、それを逃亡中に捨てたと発表するつもりだったのでしょう。」

「あなたはどんな難しい質問でも答えられますね」警部が言った。「もちろん、彼は警察に連絡する必要があったでしょうが、なぜ彼があなたのところに行ったのかは理解できません」

「単なる自慢だ!」ホームズは答えた。「彼は自分が非常に賢いと確信を持っていたので、誰かが自分に手出しできるとは想像もしなかった。彼は疑いを持つ近所の人に誰でもこう言うことが出来た。『俺がやった事を見てみろ。警察だけではなくシャーロックホームズにさえ相談したんだ』」

警部は笑った。

「あなたの『にさえ』を認めざるをえませんね、ホームズさん」彼は言った。「私の記憶にある限り最高に見事なお手並みでした」

二日後、ホームズは私に隔週刊のノース・サリー・オブサーバーを投げてよこした。派手な大見出しがいくつも並んでいたが、それは「ザ・ヘイブンの恐怖」という見出しで始まり、初めて事件の一部始終を報じた記事は、ぎっしりと詰まった活字で、最後は「見事な警察の捜査」で終わっていた。結論の段落が全体の調子をよく示していたが、それはこんなものだった。

マキノン警部の特出した洞察力によって、ペンキの臭いから例えばガスのような別の臭いが隠されたかもしれないという推理が導き出された。金庫室が殺人現場かもしれないという大胆な推理と、それに続く捜査は、犬小屋で巧妙に隠されていた古井戸の中からの死体発見をもたらした。これは、地元警察の知性を永遠に実証する例として犯罪史で語り継がれるに違いない。

「よし、よし、マキノンはいい奴だ」ホームズは寛大な笑顔で言った。「これを記録簿に保管しておくといい、ワトソン。いつか真実が語られる日が来るかもしれない」