「なあ、マクマード」彼は言った。「俺はお前の住所を覚えていたんで、厚かましくここに来たんだ。俺はお前がまだ支部長に連絡していないのに驚いた。なぜまだマギンティ支部長に会っていないんだ?」
「ああ、仕事を見つけなければならなかったんだ。本当に忙しかったんだ」
「もし他に何をする時間が無くても、彼のための時間は最優先で作らなければ。あきれた男だ!ここに来た次の日、朝のうちにユニオン・ハウスに行って、名前を登録しておかなかったとは、大馬鹿者だ!もしお前が彼と衝突すれば、・・・・いや、してはならん。それだけだ!」
マクマードは少し驚いた様子だった。「俺は二年以上支部の一員だがな、スキャンラン。しかし支部への連絡義務がそこまで急を要するとは聞いたこともない」
「多分、シカゴではそうかもしらんな」
「ここも同じ民団だろう」
「そうかな?」
スキャンランはマクマードを長い間じっと見つめた。その視線には何か不吉なものがあった。
「違うのか?」
「一月もいれば分かるだろう。俺が列車を降りた後、お前が巡査と話したと耳にした」
「なぜそれを知っているんだ?」
「噂になっていたぞ、 ―― この地区では良かれ悪しかれ何でも噂になる」
「まあ、そうだな。俺は犬どもに、自分が奴らをどう思っているか言ってやった」
「こりゃ驚いた。お前はマギンティのお眼鏡にかないそうだ!」
「なんだと。彼も警官が大嫌いなのか?」
スキャンランは笑い出した。「行って会う事だ、相棒」彼は去り際に言った。「もしお前が行かなかったら、彼が憎むのは警官ではなくてお前になるぞ。友人の助言どおりすぐに行く事だ!」