コンプリート・シャーロック・ホームズ
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ベルの音が激しくとどろいた。数秒後、金髪の探偵が階段を三段飛ばしで駆け上がり、私たちの居間に飛び込んで来た。

「ホームズさん」彼はホームズの無反応な手をしっかり握って叫んだ。「喜んでください!事件を完全に解決しました」

ホームズの表情豊かな顔に不安の影がよぎったように見えた。

「いい手がかりをつかんだと言う意味かね?」彼は尋ねた。

「いい手がかり!とんでもない、犯人を捕まえました」

「で、その男の名前は?」

「アーサー・シャルパンティエ、海軍副中尉」グレッグソンは誇らしげに太い手を擦りあわせて胸を張りながら叫んだ。

シャーロックホームズは安堵の溜息をもらし、ほっとして笑顔がこぼれた。

「座ってくれ。この葉巻を一本やって」彼は言った。「君がどうやったか是非聞きたい。ウィスキーの水割りを飲むか?」

「悪くないですね」警部は答えた。「ここ一日二日、とんでもない骨折りを経験しましたので、くたくたです。肉体的な疲労は、精神的な緊張ほどにはきつくはありませんがね。ご理解いただけると思いますが、シャーロックホームズさん、我々はお互い頭脳労働者ですからね」

「それは大変光栄だな」ホームズはいかめしく言った。「君がその最高に喜ばしい結果に到達した経緯を聞かせてくれ」

警部は肘掛け椅子に座り、満足そうに葉巻を吹かした。それから突然、彼は楽しくて我慢できないというように腿を叩いた。

「愉快なのは」彼は叫んだ。「馬鹿なレストレードですよ。彼は自分を賢いと思っているが、完全に間違った方向に行ってしまった。彼は秘書のスタンガーソンを追いかけています。彼はこの事件に対して、お腹の中の赤ん坊と同じように無能だった。今頃、間違いなく秘書を逮捕しているんでしょうな」

この考えが相当面白かったらしく、グレッグソンは息が詰まるまで笑った。

「それで、君はどのようにして手がかりをつかんだんだ?」